新調理HACCP認証
50℃洗い・70℃蒸し・真空低温調理法のためのHACCP認証
最近では素材を活かす新しい調理法として「50℃洗い」「70℃蒸し」「真空低温調理法」などが注目されています。この手法を活かし衛生的な調理が出来るようにと システム管理するのが新調理HACCPです。
50℃洗い
一般的には「野菜を50℃のお湯で洗うと、驚くほどみずみずしくなり、張りが増す」ということで50℃洗いは知られていますが、実は他にもメリットがあるのです。
merit1 鮮度がよくなり、保存性が高まる
少ししなびた野菜もシャキッとよみがえり、鮮度が長持ちします。
merit2 アクや臭みが消え、旨みが増す
野菜のアクが取れて、旨みが増します。
merit3 甘味が増す
トマトや果物は50℃洗いで甘味が増します。
merit4 表面の汚れが落ち、色つやがよくなる
水洗いでは落ちにくい汚れや虫が簡単に落とせます。
merit5 肉や魚の表面についた酸化物が落ちる
酸化物も落ちるのでさっぱりとした味わいになり、健康にも役立ちます。
70℃蒸し
一般的な蒸し料理は100度近い高温の蒸気で食材を蒸しあげます。この100度近い高温で蒸すと食材の様々な栄養素・旨味成分・香りが壊れてしまいます。「70℃蒸し」は「低温蒸し」とも呼ばれ、50℃〜85℃くらいの温度で蒸すのが特徴です。 野菜や肉、魚介類などを低温蒸しにすると、熱による栄養成分の破壊が少なく、食感がよくなる、素材のうま味が凝縮する、野菜のアクが少なくなり、本来の香りが増すなどといった効果が生まれます。
真空低温調理法
「真空低温調理法」とはフランスではじめられたもので、食材を空気などが混入しないように調味液を一緒に(場合によっては別々に)真空包装し、 湯せんなどによって低温(58〜95℃)で一定時間加熱後提供するか、または、加熱後急速に冷却してチルド保管する調理法のことです。 袋内の空気を抜き、この真空状態にすることにより以下のようなメリットが生まれます。
merit1 素材の酸化防止
merit2 素材内の空気が抜ける代わりに、調味料が染み込む
merit3 通常の加熱では、素材内の空気が膨張し、素材の細胞破壊を招くが、空気を抜くことでこれを防ぐことができる
食材を生かす調理法
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50℃洗いで酸化防止
・HSP(ヒート・ショック)により酵素活性化
・アクを取りカビや腐敗菌を抑制
・肉・魚は生臭み、酸化物が取れ美味しくなる
・野菜は収穫時の状態に戻る
・ペクチンが細分化し、弾力が出る
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70℃スチームでおいしい料理
・低温スチームでビタミン・旨味の流出がない
・野菜はシャキシャキ、旨味が増す
・アクが落ち雑味がなくなる
・しっかり殺菌され日持ち良くなる
・素材が美味しいので塩分・糖分を減らせる
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真空低温調理で計画生産
・クックチル・クックサーブと組合せで計画的調理
・人件費や食材面で合理化できる
・調味料・光熱費の省略化ができてコストダウン
・原材料の計画仕入れができる
・低温調理で食物繊維を崩さない
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調理の急所8項目
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・50℃洗い
・70℃スチーム
・真空調理
・酵素活性化
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・酸化防止
・異物除去
・調理のTT管理
・食品のトレーサビリティ
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衛生の急所8項目
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・細菌の増殖
・異物の混入
・害虫・害獣の駆除
・食品のTT管理
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・廃棄物管理
・従業員の衛生管理と教育
・布巾・包丁・まな板の管理
・機械・器具の管理
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新調理HACCP認証 実践講座
日本の食文化と食材を生かす調理法についての実践講座
新調理HACCP認証について、HACCP認証協会では、元ホテルオークラ東京和食総料理長の星先生を講師に、実践講座を行っています。日本の食文化から新調理HACCP認証に必要な細菌を増やさない様々な調理法についてわかりやすく解説を行っています。
主な講義内容 ─ T.T管理の可能な近代調理
- ・50℃の湯洗い
- ・低温蒸し
- ・真空低温調理
- ・新調理HACCP
- ・レストランHACCP
Profile 星 則光
1969年(株)ホテルオークラ東京に入社、和食堂に配属され、研鑽を重ねる。
70年〜80年代、アメリカからヨーロッパ、アジアの各国で日本料理のプロモーションや技術指導を重ね、2003年、(株)ホテルオークラ東京の和食総料理長に就任。同社退社後、(株)萬坊の商品開発や(株)フーディックの料理顧問として活躍、2016年中村調理製菓専門学校退職。現在に至る。
メディア出演
NHK「クローズアップ現代」出演
NHK「今日の料理」出演2回
NHK「ためしてガッテン」出演
新調理技術講習(真空調理)開催(東京電力、九州電力、中国電力、他)
新調理技術協議会幹事
食材の50℃洗い、低温スチームによる調理法の普及のためセミナー開催
2012年 マキノ出版「50℃洗いのすべてがわかる本」説明文記載